【ばら戦争-装甲騎士の時代】

 1455年〜1487年におけるイギリスでのヨーク家対ランカスター家の王位継承戦争についての解説本です。30年間を大まかに分け、状況整理して複雑な時代の流れを追っています。後半は図付きの兵装解説がついています。
 欲望や怨恨の渦巻く貴族同士の争いは、時代ごとに敵味方が入れ替わる混迷模様で、関係が分かり難いながらも展開の読めない不安定さにワクワクします。エドワード4世xウォーリック伯が年表読む限りだと燃えますね。先代エドワード3世の忠臣ウォーリック伯とその思惑に逆らう若き王子エドワード4世。袂を分かったウォーリック伯は前の戦争で敵方のランカスター家と手を組み、新王との戦争に突入していく辺りとかね。エドワード4世とかちょっと調べてみると結構ロクでもない人のようなのですが。
 同時に当時の戦い方に伴った武器や防具の使い方の説明も見所です。徒歩による全身甲冑の集団戦とか、あまり優位性を持たなかったロングボウとか、時代を絡めつつ把握しないと分かりませんものね。
 予想外に面白かったので別のシリーズも是非探してみます。

ばら戦争―装甲騎士の時代 (オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)

ばら戦争―装甲騎士の時代 (オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)