【ダブルクロス・リプレイ・オリジン 偽りの仮面/矢野俊策】

「ダブルクロス(TRPG)」のリプレイ本。ダブルクロスを遊んだことがない人でも、TRPGの経験があれば巻末の用語集や文中解説で楽しく読めるようになっております。シナリオ性が高いと評判のF.E.A.R社のゲームのリプレイは初めて読みましたが、ゲーム自体が他のTRPGのシステムより会話劇のスタイルを強めた作りになっているので、本にすると物語として確かに読みやすいですね。
GMやプレイヤーをしているベテランゲーマー同士の絶妙のやり取りが面白さの肝で、TRPGという会話劇の即興性を知っていれば大変楽しめます。シナリオの題材もゲームの基本テーマにマッチしていて入門用としてうまく出来ている感じです。ダブルクロスの面白さにきちんと触れた気がします。
ただ会話劇としてのゲームをあまりよく知らない私としては、よく出来た即興劇に憧れはしますがなかなか遊ぶところまでは踏み込めないんですよね。「馴れ」な気はするんですが、一緒に遊ぶ人を選びそうというか何というか。