【ブラッカムの爆撃機/ロバート・アトキンソン ウェストール】

ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの

ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの

 「機関銃要塞の少年たち」に続いて、私としては2冊目のウェストール作品です。こちらには作者のもう一つの側面である「不思議な物語」がまとめられています。実はそんなこととは知らずに読み始めてしまい、表題作を読み終わった時にはちょっと呆然としてしまいました。「機関銃要塞の〜」では戦争中の細かな生活感とリアルな子供世界の描写に溢れていたので、本書冒頭にある宮崎駿さんの漫画の爆撃機のイメージも相俟って、てっきり泥臭い戦争話とばかり思い込んでいたんですね。
 どの話もどこか泥や埃の匂いのする派手な彩りとは縁遠い雰囲気ですが、柔らかで暖かい手触りの作品ばかりです。すごく読み心地がいいです。他の著作も探しながら少しづつ読んで行きたいところ。