【続・ウィザードリィ日記 未来はバラ色/矢野徹】

ウィザードリィ日記とありますが、実のところ「ウィザードリィ」とは何の関係もないエッセイ集です。元々は「EYE・COM」という雑誌で連載されていた「未来はバラ色」という記事らしく、前半は時事ネタを取り込んだエッセイ、後半はそのエッセイ用の掲示板に書き込まれた読者や筆者の文章というふうに構成されています。PC関連という意味では矢野さんがコンピュータに触れていくという前作「ウィザードリィ日記」自体の続編と言えます。
発行が1991年で、さすがに15年も前のPC事情や世情は感慨深いものがあります。ソビエト崩壊やらドイツ統合やら、ちょっと前ぐらいに思えてもいつの間にか随分と時間がたっていたようです。果たしてこの未来は少しでもバラ色なんでしょうか。そういえば掲示板の文章を活字にされると、PCで流し読むのと違ってついつい同じ注目度で読んでしまいますね。文字は文字。ネット上のテキストと同じようにもう少し距離を置いて読んでいかないと。