【ガダラの豚(1)/中島らも】

呪術面とか見てるのが楽しいです


 呪術をテーマにした娯楽小説。全3巻ですがその大きな流れの中に、1巻ずつに一区切りがあってそれぞれ雰囲気の違う作品になっています。第1巻は登場人物の紹介とその周辺の足場固め。主人公達が抱える様々な問題を見せながら、超能力と新興宗教のようなそれなりに身近な奇蹟を、トリックの側面から切り取っています。トリックで再現可能な奇蹟というネタばらし的謎解きの要素が軽妙なスパイスになっていて、地味めで多少ゆっくりした本編の展開を飽きさせずに読ませます。

ガダラの豚 1 (集英社文庫)

ガダラの豚 1 (集英社文庫)